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施設に10年以上住んでいるのに「居住用不動産」?
「施設に10年以上入所しているのだから、もう自宅ではない。」
多くの方がそう考えるのではないでしょうか。実は、私もそう思っていました。
ところが実際に家庭裁判所へ確認したところ、返ってきた答えは予想外でした。
『戻って一人暮らしをする可能性もあるため、居住用不動産として処分許可の申立てをしてください。』
10年以上誰も住んでいない家でも、「居住用不動産」と判断されることがあるのです。
なぜ裁判所の許可が必要なの?
成年被後見人の居住用不動産を売却する場合は、民法859条の3により家庭裁判所の許可が必要です。
裁判所は、売却の必要性や価格が適正かどうかなどを確認し、本人の財産が不当に処分されないよう審査します。
実際に経験したケース
当事務所で担当した案件では、ご本人は中部地方の施設に10年以上入所しており、売却するのは以前住んでいた関東地方のご自宅でした。
私は『これだけ長期間施設で生活しているのだから、居住用不動産には当たらないのではないか』と考えていました。
しかし、家庭裁判所へ確認したところ、居住用不動産として処分許可を申し立てるよう案内されました。
この経験以来、施設への長期入所や空き家であることだけを理由に、居住用不動産ではないと判断するのは危険だと実感しています。
自己判断は思わぬ落とし穴になります
成年後見実務では、『現在住んでいるか』だけではなく、『将来戻る可能性』なども考慮されることがあります。
「施設に長く入っているから大丈夫」「空き家だから許可はいらない」と自己判断せず、迷った場合は事前に家庭裁判所へ確認することをおすすめします。
ほんの一本の確認が、後から手続きをやり直すリスクを防ぐことにつながります。
